奨学金は大学進学には必要です
この奨学金制度は、家庭の事情によって大学や専門学校へ進学するためのお金がないという人向けに、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)がそういった人を対象にして進学のための奨学金を融資しています。
そのため、大学や専門学校へ進学のための資金が無いという人でも、日本学生支援機構が融資を行っている奨学金制度を利用する事によって、資金面での不安なく進学して学業に専念する事が出来るようになっています。
ただ、奨学金は融資精度となっているため、誰でも利用する事が可能という訳ではありません。この奨学金を利用するためには日本学生支援機構に融資申し込みを行って奨学金審査に通る必要があるのです。
しかし、この奨学金審査では審査申込者=学生のため基本的には親や親戚が連帯保証人になる必要があり、親が過去に金融事故を起こしているため信用ブラックになっている場合には奨学金審査に通らないのではないのか?と思っている人がいるようです。
そこで、今回の記事では親が信用ブラックの場合には奨学金審査に通る事は可能なのか?について説明します。
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奨学金融資を受けるための基準はこれ
ここで一旦、親の信用ブラックの件は置いておいて、日本学生支援機構が融資を行っている奨学金を受けるための基準について説明しますね。この奨学金を受けるための基準ですが、主に2つあって『学力基準』と『家計基準』によって審査を受ける事になっています。
[char no=”3″ char=”学くん”]奨学金審査では主に学力基準と家計基準によって審査可否の判断がされています。[/char]
奨学金の学力基準について
ここでは、奨学金融資を受けるための学力基準について説明しますね。奨学金融資は誰でも受ける事が出来るという訳では無くある程度の成績を残している必要があるため、この学力基準を満たしていない人は猛勉強を行いこの学力基準を満たす必要があります。
[char no=”5″ char=”学くん”]奨学金審査における学力基準の詳細は下記の通りです。[/char]
学力基準の詳細 | |
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第一種の学力基準 | 1.高等学校(または専修学校高等課程)の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上 2.高等学校卒業程度認定試験または大学入学資格検定に合格した人、もしくは科目合格者で機構の定める基準に該当する人 |
第二種の学力基準 | 1.高等学校(または専修学校高等課程)における学業成績が平均水準以上と認められる人 2.特定の分野で特に優れた資質能力があると認められる人 3.大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる人 4.高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、もしくは科目合格者で機構の定める基準に該当する人 |
入学時特別増額奨学金の学力基準 | 第一種・第二種に申し込んでいることが前提の増額なので、特に学力基準はありません。 |
奨学金の家計基準について
ここでは、奨学金融資を受けるための家計基準について説明しますね。奨学金融資を受けるためには家庭の事業が考慮されるため、ある程度の年収による線引きが行われており、この水準を上回っていると奨学金審査に通らない可能性が高くなってしまいます。
[char no=”5″ char=”学くん”]奨学金審査における家計基準の詳細は下記の通りです。[/char]
家計基準の詳細 | |
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第一種の家計基準 |
1.世帯人数3人→給与所得者657万円、給与所得以外286万円 |
第二種の家計基準 | 1.世帯人数3人→給与所得者1,009万円、給与所得以外601万円 2.世帯人数4人→給与所得者1,100万円、給与所得以外692万円 3.世帯人数5人→給与所得者1,300万円、給与所得以外892万円 |
入学時特別増額奨学金の学力基準 |
1.奨学金申請時の家計基準での認定所得金額が0(ゼロ)評価となる人。(4人世帯の給与所得者の場合で、収入が400万円以下が目安です) 2の場合は、国の教育ローンの審査に落ちた後に、「日本政策金融公庫の『国の教育ローン』が利用できなかったことについて(申告)」という書類に、国の教育ローン借入申込書と融資出来ない理由を記載した通知文(審査落ちした時に日本政策金融公庫から送付されてきます)を添付して提出し、手続きを行って下さい。 |
日本学生支援機構は個人信用情報期間には加盟してませんでした
現在の奨学金の代表格の日本学生支援機構ですが、これは以前あった日本育英会と日本国際教育協会などが合併して2004年4月1日から日本学生支援機構として奨学金を融資する事になりました。
ただ、日本育英会や日本国際教育協会はもちろん、合併後の日本学生支援機構は当時個人信用情報機関には加盟しておらず、奨学金審査申込者の親の信用情報を確認することは出来ませんでした。
しかし、この奨学金を受けた学生の中から大学卒業後に奨学金の返済が出来なくなった人がかなりの数にのぼったため、『61日以上の奨学金延滞者を登録することで、悪質な延滞を防止する』という名目のもと2010年4月から延滞情報を全国銀行個人信用情報センター(KSC)に登録するようになったのです。
もっとも、日本学生支援機構がKSCに加盟した後でも大学卒業後の返済が遅れている、または返済不能に陥っている人が減っているとは言えず、現在の社会問題の1つになっています。そのため、今後大学や専門学校への進学で奨学金制度の利用を考えている人は、卒業後の返済についても考えておく必要があります。
[char no=”3″ char=”学くん”]基本的に奨学金は返済義務を伴う融資になります。(返済義務のない奨学金も有り)[/char]
親が信用ブラックの場合には審査に影響する可能性あり
日本学生支援機構がKSCに加盟している観点から、奨学金審査ではほぼ間違いなくKSCに登録されている親の信用情報を照会していると思われます。(奨学金への申込には原則父母や兄弟姉妹又はおじやおば等から連帯保証人や保証人を付ける事になっているため)
もっとも、これは奨学金審査に限らず住宅ローンやオートローンなど高額な金融商品の審査では連帯保証人の信用情報を照会して審査が行われていますので、奨学金審査でも同様に親の信用情報が見られている可能性は高いです。
そのため、親が信用ブラックの場合には連帯保証人としてはふさわしくないと判断され、奨学金審査には通らない可能性が十分あるため、現在親が信用ブラックの場合には兄弟姉妹やおじやおばなどに連帯保証人をお願いした方が良いです。
奨学金審査に落ちる最大の理由は年収条件にある?
奨学金審査においては、親の信用ブラックも影響していますが、それよりも大きな理由として家計の収入が挙げられます。もっとも、専門学校はもとより大学進学となると経験上年収の多い家庭が多くなってしまうため、当然ですが年収の基準を超えてしまうと奨学金審査に落ちてしまいます。
ただ、会社員であれば奨学金審査のためにいきなり年収を落とす事はかなり難しいと思いますので、奨学金審査への申し込みを行う前に所得証明書や課税証明書など、所得を証明する書類を確認した上で申込を行うか?否か?の判断が必要になります。
連帯保証人がいない場合には機関保証の利用が可能です
奨学金審査において、親がブラックで兄弟や親戚などから連帯保証人を断られた場合には、機関保証制度(JASSO)と呼ばれている連帯保証人に代わる制度の利用が可能です。そして、この機関保証制度では、保証機関が学生の債務の保証人となる事で学生が安心して奨学金を受け取る事が出来るのです。
ただ、この機関保証制度を利用するためには毎月数千円の保証料の支払いが必要になりますが、親が信用ブラックで奨学金審査に通らない人にとっては、保証料を支払ってでも利用したい制度ではないでしょうか?
奨学金審査では、連帯保証人を用意しないと審査に通りませんので、何らかの理由によって連帯保証人を用意する事が出来ない人にとっては、この機関保証制度は恵みの制度と言えます。
ちなみに、この機関保証制度を利用した学生が大学卒業後、奨学金の返済が一定期間滞ってしまった場合には、この学生の代わりに保証機関が日本学生支援機構へ借りた奨学金を一括で返済を行い、その後は保証機関が学生に奨学金の返済を求めていきます。
[char no=”5″ char=”学くん”]親が信用ブラックの場合には、機関保証制度を利用して毎月数千円の保証料の負担にて奨学金の融資を受ける事が可能です。[/char]
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